Cross Talk

On a Picknick!
これからの
日本の食文化をつくる

「味の素株式会社」の川崎事業所および東海事業所の
調味料・加工食品の製造・包装事業、
「味の素パッケージング株式会社」の製造・包装事業、
「クノール食品株式会社」の3つが統合し、
新たに誕生した「味の素食品株式会社」。
合併の経緯や今後の展望について、3名の役員が語ります。

※役員体制は2019年取材当時のものです。
On a Picknick!

役員が語る合併の思い、
そして将来の展望

  • 専務取締役 伊藤 善計
  • 常務取締役 上田 洋
  • 取締役 古川 誠
Picnic Spot:
多摩川河川敷

本物志向の味を追い求めて

上田:我々味の素グループのルーツといえば、1908年に昆布のグルタミン酸から「うま味」を発見したこと。このうま味を突き詰めたものが「味の素®」として誕生して以来、今も多くの家庭の食卓に置かれる超ロングセラー商品になりましたね。

伊藤:もう100年以上も前の話になりますか。ずっと変わらないコアですよね。

古川:味の素の歴史は相当長いですね。その味の素製品の包装を専門で手がける会社として、2000年にできたのが味の素パッケージングです。

上田:粉末状のものを高速自動機械で正確に入れたり、中身によって包材を使いわけたり、包装というのは、実はかなり奥が深い。

古川:そうなんです。海外にあるグループ会社に技術支援することもありますし、包装技術を売り込むことになるので、商品を包むための技術そのものが商品になっている、という。

上田:まさに技術屋集団という感じですね。

伊藤:一方、クノール食品は他の2社とルーツが違って、発祥はドイツです。ヨーロッパからスープづくりの技術を学び、その洋食文化を日本に根づかせたパイオニアですね。

古川:一流レストランのシェフがつくるようなスープを家庭でも楽しめるように、テーマとして掲げたのが “シェフマンシップ”でしたよね。

伊藤:ええ。つまり、レストランの味を工業化しよう、というわけです。レシピや生産プロセスを徹底的に研究し、ときには製造するための機械を自分たちで設計しながら、日本人の舌に合うスープを開発してきました。代表例で言えば、コーンスープって日本人にカスタマイズされていて、ほぼ日本でしか飲まれないんですよ。

食品事業に、新たな価値を

伊藤:昨今の日本では、少子高齢化や労働人口の減少、消費の多様化といった社会的課題があります。これを受け、味の素グループでは柔軟な対応を可能とするために生産機能の集約を進めています。同時に、設備投資や自動化でより強固な体制の実現に向けて動いています。製造する商品にもよりますが、工場によっては80%の自動化を目指しているところもあります。

古川:味の素食品として、原材料の調達から製造、生産管理、包装、物流までを担うサプライチェーンを構築していこうとしています。加えて、自動化によって効率化を図り、自国生産・自国販売のスキームを確立するわけですね。

伊藤:これは、味の素グループの「ASV(Ajinomoto group Shared Value)」の考え方に基づいた動きですよね。「ASV」というのは、我々の日々の仕事の積み重ねで世の中の役に立っていこう、という方針です。当社のような食品会社の具体的な取り組みとしては、健康を考慮した減塩・適塩や栄養素の高い商品を開発することなど、健康に貢献するような商品を作っていくことが挙げられます。

上田:そういう意味で、まずは社会的課題を把握し、世の中のニーズをキャッチアップする必要がありますよね。たとえば消費の多様化について、今、日本では個食化が進んでいます。“家族みんなで”ではなく、2人用や1人用の商品が求められるような。

古川:そうですね。小さなパッケージの展開は旧3社でもやってきましたが、時代に合わせて、その技術を共有し力を合わせていかないといけません。さらに海洋プラスチックごみ問題やオゾン層を破壊するフロンを減少させることは世界規模で関心が高まっていますから、味の素食品としても、その課題への取り組みを進めているところです。

上田:力を合わせることで課題解決のスピードも早まります。各社や各個人が保有していた知見や経験を融合すれば、技術力や生産性をさらに向上させることができると期待できますよね。

未来に向けて、高品質を保ち続ける

古川:食の生産技術と生産現場力を含むシステムを、いかに継続的に高めていくか。それが私たちのミッションです。

上田:お客様に満足いただける高品質の食品を生産し、提供することが、サスティナブルな意味でも重要になりますよね。

古川:どんなに優れたコンセプトの商品を開発しても、生産において具現化できなければ、まったく意味がありませんから。そのために、まずは安定して高品質を維持できるようにしないといけません。

伊藤:味の素食品の場合、原材料のほとんどが自然のものですから、異物混入には特に注意を払う必要があります。野菜の葉の裏についたわずかな土も絶対に見逃さないよう、何十人もの作業員が、最低でも3回、多いときは5回、熟練したプロの目で確認しています。品質を確かなものにするためには、それぐらいこだわる必要があります。

古川:そう。自動化を進める一方で、やはり人の感覚でないとできない作業はあります。機械だけでは不十分なところを、人の力と組み合わせて品質を守っています。

上田:今後は、人と機械それぞれが担う役割はより明確になっていくでしょう。高度な技術や状況判断、ノウハウを要する手作業は残しつつ、一方で単純作業の自動化やAIを使った画像解析などを導入し、コストを削減していくことになります。

古川:高品質なのにお手頃価格であるというバランスをとるためには、生産性を高めなければならない。そういったお客様に喜んでいただける商品への工夫を、これから味の素食品は求められていますね。

一人ひとりの力で、
壁を乗り越えていこう

上田:私が社員に期待するのは2つ。まずひとつに、自分の仕事、あるいは自分のつくっている商品について、世の中の役に立っているという実感・自信を持ってほしい。

古川:やりがいや誇り、とも言えますね。

上田:そうですね。もうひとつは、困難な事象にぶつかったときに、できない理由を探すのではなく、常にできる方法を考え、やり遂げてほしいということです。一人ひとりがそういうマインドを持っていれば、大きな壁であっても乗り越えていけます。

伊藤:上田さんが言うように、壁を乗り越えるという点では、自分と違う価値観を持つ人と対峙したときに、真価が問われますよね。

上田:確かに、仕事をするうえで、人とのコミュニケーション、特に世代の違う人とのコミュニケーションは重要ですからね。

伊藤:これは私の持論ですが、勉強だけでなく、遊びを知っている人の方が、いい仕事ができるように思います。だから壁を乗り越えるためにも、よく学びよく遊べ、と言いたい。

古川:遊びを知らないと、臨機応変な対応ができないのかもしれませんね。

伊藤:遊びながら自分を高め、人生を楽しんでいる人と一緒に働きたいですし、これからの味の素食品を一緒につくっていきたいですよね。

古川:私は、これから本格的に機械による自動化が進んだとき、“指示待ち社員”ばかりでは困るな、と感じています。一人ひとりが仕事を通じて成長し、会社を動かすエンジンにならないといけない。

上田:会社としても、個人のキャリア形成の面では全面的にバックアップしていますからね。当社の場合、希望すれば幅広い分野の仕事に携わることができます。

古川:そうですね。なので、会社からのバックアップを受けつつ、最終的には自分の力でなりたい自分になってほしいと思いますね。

On a Picknick!

On a Picknick!

伊藤 善計
上田 洋
古川 誠

On a Picknick!

Picnic Spot:

多摩川河川敷

工場より徒歩10分。緑豊かな憩いの場。

味の素食品の工場に沿うように流れる多摩川。河川敷では、川遊びをする親子や、都心では見ることのできない野鳥で賑わう憩いの場となっています。

My Choice:

ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
chosen by 伊藤 善計

ポルチーニが香る濃厚なクリームスープを、くるくるパスタに絡めて楽しめるスープパスタです。クリームのコクがぐーんとアップして、よりいっそうおいしくなりました。

ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
chosen by 上田 洋

エビのうま味がまるごと溶け込んだトマトのクリームスープパスタです。らせん状のパスタをとろーりスープに絡めておいしくいただけます。

ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
ポルチーニ香るきのこのクリームスープパスタ
chosen by 古川 誠

完熟トマトまるごと1個分(小玉約1個分)使用したスープを、くるくるパスタに絡めて楽しめるスープパスタです。トマトの風味がぐーんとアップして、よりいっそうおいしくなりました。